2020年ノーベル経済学賞
受賞理由
オークション理論の改良と新しいオークション形式の発明
受賞者
アメリカ合衆国
アメリカ合衆国
解説
オークションは、欲しい人が順番に値段を言って一番高い人が買える仕組みです。ミルグロムさんとウィルソンさんは、この仕組みをもっと公平でかしこくする方法を考えました。たとえば、みんなが知らない情報があると高く買いすぎて損をする人が出てきます。二人はその『損をしちゃう問題』をどう防ぐかを研究しました。そして、携帯電話の電波を会社に売るときなどに役立つ、新しいオークションのやり方を作りました。世界中で使われて、国や私たちの生活に大きな利益をもたらしています。
関連キーワード
オークション
売り手と複数の買い手がルールに従い価格を決めて資源を配分する市場メカニズム。公開入札や封印入札など多様な形式があり、公共財から芸術作品まで幅広く利用される。ミルグロムとウィルソンはその理論的基盤を拡張し、新しい形式を創案した。
勝者の呪い
共有価値が不確実なオークションで最も高い入札者が実際には損失を被る現象。ウィルソンは理論モデルでこのリスクが入札額引き下げと参加回避を誘発し、売り手収入を低下させることを示した。
同時多品目周回オークション
ミルグロムとウィルソンがFCCの周波数販売のために設計した形式。複数のライセンスを同時に開示し、ラウンドごとに入札を更新させることで価格発見と情報共有を実現し、効率的かつ高収入の配分を可能にした。
私的価値
オークション対象の価値が入札者ごとに独立して決まる成分。寄付ディナーやコレクターズアイテムの入札で典型的。理論上は情報非公開でも勝者の呪いが生じない。
共有価値
石油田の埋蔵量や国債の市場価格のように、落札後には全入札者にとって同じとなる価値成分。情報の非対称性が大きいと勝者の呪いが深刻化する。
スペクトルオークション
携帯電話やテレビ放送で使う電波帯域を政府が民間事業者に売却する入札。SMRAやCCAなど高度なオークション形式が採用され、国家財政と通信インフラ整備の両立に寄与している。
組合せオークション
入札者が複数の品目を束ねたパッケージに価格を付けられる方式。補完性がある品目を一括取得できる利点があるが、割当問題はNP困難でアルゴリズム設計が不可欠。