1960年ノーベル化学賞
受賞理由
炭素14を用いた年代測定法の開発
受賞者
ウィラード・リビー
アメリカ合衆国
解説
とても昔に作られた木の道具や動物の骨が「何歳」なのかを知るのはむずかしいです。リビーさんは空気にふくまれる特別な炭素(炭素14)が少しずつ減っていくことを見つけ、その残りぐあいをはかることで物の古さを調べる方法を考えました。これは砂時計の砂の代わりに“放射能”を使った自然の時計です。今では世界中の博物館で宝物の年れいを調べるときに役立っています。
関連キーワード
炭素14
質量数14の放射性炭素同位体。半減期は約5730年で、ベータ崩壊して窒素14になる。年代測定の核心となる。
放射性炭素年代測定
炭素14の残存量を測り、有機物が死滅した時期を推定する手法。考古学・地質学の年代スケールを統一した。
半減期
放射性核種の数が元の半分になるまでに要する時間。炭素14では約5730年であり、年代計算の定数λに対応する。
宇宙線生成
高エネルギー宇宙線が大気中の窒素14に衝突し、中性子反応で炭素14を生成する過程。大気14C濃度の源となる。
ベータ崩壊
原子核が電子(β⁻粒子)を放出して別の元素に変わる放射壊変。炭素14はβ⁻を出して窒素14になる。
較正曲線
年輪やサンゴの実年代と測定14C年代の差をまとめた曲線。放射性炭素年代を暦年に変換するために用いる。
質量分析計測
イオン化した試料を加速器で分析し、14C/12C比を直接数える高感度法。μgスケールの試料年代測定を可能にした。