1969年ノーベル経済学賞

受賞理由

経済過程の分析に対する動学的モデルの発展と応用

受賞者

ラグナル・フリッシュ
ラグナル・フリッシュ

ノルウェーノルウェー

ヤン・ティンバーゲン
ヤン・ティンバーゲン

オランダオランダ

解説

おこづかい帳でお金が入ったり出たりすると、時間によって合計が変わりますね。フリッシュさんとティンバーゲンさんは、国全体のお金の流れが時間とともにどう変わるかを調べるための“計算式”を作りました。今と昔をつなげて未来を予想できる仕組みなので、国の“おこづかい帳”を大きくしたようなものです。これにより、政府が税金や支出を変えるときに、景気がどう動くかを前もって考えられるようになりました。私たちの暮らしを良くするための賢い作戦を立てる手伝いをしてくれたのです。

関連キーワード

動学的モデル

時間を明示的に含み、変数が過去から未来へとどのように推移するかを式で示す分析枠組み。景気循環や成長過程の研究に不可欠で、政策介入のタイミングや持続効果を評価できる。

計量経済学

統計学と経済理論を融合し、実際のデータから経済の法則やパラメータを推定する学問分野。回帰分析や最尤推定などの手法を駆使し、仮説検定を通じて理論モデルの妥当性を検証する。

同時方程式モデル

複数の内生変数が相互に決定し合う関係を表す式の集合。需要と供給、所得と消費などが同時に決まる状況を扱う。識別条件や推定方法の研究が計量経済学の重要テーマとなった。

マクロ経済予測

GDP、失業率、物価などの将来値をモデルを用いて推定する作業。政策判断や企業戦略の基礎情報を提供し、不確実性分析やシナリオ比較が伴う。

政策シミュレーション

財政支出や金利変更などの政策ショックをモデルに投入し、その結果として生じる経済指標の変化を追跡する手法。効果の大きさや波及スピードを数量的に評価できる。

インパルス・プロパゲーション

フリッシュが提案した景気変動理論で、外生的衝撃(インパルス)が経済内部の仕組み(プロパゲーション)を通じて拡散・減衰し、周期運動を生むと説明する。現代のショック波動分析の原点。

時系列分析

時刻順に並んだデータのパターンや相関構造を調べる統計手法。自己回帰モデルやスペクトル密度解析などを用い、予測や因果関係の推定に活用される。