1981年ノーベル平和賞
受賞理由
難民の移住・定着と処遇の改善、ならびに難民の基本的権利の促進に対する貢献
受賞者
世界
解説
戦争や争いで住む場所を追われた人たちを「難民」といいます。国際連合難民高等弁務官事務所(UNHCR〈ユーエヌエイチシーアール〉)は、その人たちが安全に暮らせるようにお手伝いをする国際機関です。テントや食べ物、毛布を配り、学校に行けるようにもします。また、新しい国で安心して暮らせるように手続きも助けます。こうした働きが世界の平和につながると認められ、1981年にノーベル平和賞を受けました。みんなで助け合うことの大切さを教えてくれる賞です。
関連キーワード
難民
迫害・戦争・暴力により母国を離れ、国際的な保護を求める人。1951年難民条約第1条で定義される。自国の保護を受けられない、または受けたくない合理的理由がある場合に該当する。保護内容には非退去原則、就労権、教育権などが含まれる。UNHCRは各国にこれらの権利を保障するよう働きかける。
非退去原則
難民や保護を必要とする人を迫害の恐れがある場所に送り返してはならないという国際慣習法上の義務。1951年難民条約第33条に明記され、拷問禁止条約などにも広がる。国家安全保障の例外は厳格に限定される。UNHCRはこの原則の監視者として、違反事例に対し勧告や国際世論喚起を行う。人権保護の核心的概念とされる。
第三国定住
難民が第一次受入国から、恒久的に受け入れてくれる別の国へ移動し、新生活を始める仕組み。自発的帰還や現地統合が不可能な場合の恒久的解決策の一つ。UNHCRは候補者の選定、医療検査、文化オリエンテーションを調整する。受け入れ国はビザ発給や社会統合プログラムを提供する責務を負う。年間枠不足が課題であり、各国の協力が不可欠。
1951年難民条約
第二次世界大戦後に採択された国際条約で、難民の定義と権利、締約国の義務を定める。地理的・時間的制限(欧州域内・1951年以前)があったが、1967年議定書で撤廃された。条約は非退去原則、就労・教育の権利、差別禁止などを規定。UNHCRは条約の順守状況を報告書で監視する。現在150カ国以上が締約国となっている。
耐久的解決策
難民問題を恒久的に解消する三つの方法を指す:自発的帰還、現地統合、第三国定住。UNHCRは状況に応じて最適解を組み合わせる。自発的帰還には安全かつ尊厳のある条件が必須。現地統合は長期的な法的地位と経済参加が鍵。これらの実現には受入国、出身国、ドナーの協力が必要で、国際政治の影響を受けやすい。
国内避難民
武力紛争や迫害で住む場所を追われたが、国境を越えていない人々。難民とは異なり国際条約で明確に保護されていないが、国連ガイドラインや人道原則が適用される。UNHCRは要請があった場合にIDP支援を行い、避難所、保護モニタリング、法的助言を提供する。IDP数は難民数を上回ることが多く、国際社会の課題となっている。