2020年ノーベル平和賞

受賞理由

飢餓克服への努力、紛争地域の平和のための貢献、そして飢餓を戦争や紛争の武器として使用することを防ぐための努力において原動力としての役割を果たしたことに対して

受賞者

国際連合世界食糧計画
国際連合世界食糧計画

世界世界

解説

世界には毎日おなかいっぱい食べられない人がたくさんいます。国際連合の世界食糧計画(WFP)は、ごはんやパンのような食べ物を船やトラックで運び、おなかをすかせた子どもや家族に届けています。けんかや戦争で家を追われた人たちにも食べ物を配り、安心して暮らせるように助けています。食べ物があれば、みんな元気に学校に行けて、未来の夢をえがけます。だからWFPは「食べ物で平和をつくるヒーロー」と呼ばれています。

関連キーワード

食料安全保障

すべての人が、いつでも十分で安全かつ栄養のある食料を入手でき、健康で活動的な生活を送るための条件が保証されている状態を指します。供給量、アクセス手段、栄養価、安定性の四つの要素で評価され、紛争・気候変動・経済危機が大きく影響します。WFPは早期警戒システムや現金給付を通じて各要素を補完し、急性飢餓を防ぎます。

飢餓の武器化

戦闘勢力が包囲や輸送妨害によって食料供給を断ち、住民を弱体化させる戦術です。国際人道法では民間人を飢餓にさらすことを禁じていますが、実際にはシリアやイエメンなどで問題化しています。WFPはアクセス制限の実態を監視し、国連安保理に報告することで抑止効果を狙っています。

学校給食プログラム

子どもに栄養価の高い食事を提供し、出席率向上と学習成果の改善を目的とする支援策です。家庭の食費軽減が副次的な社会保障となり、女児の就学継続にも大きな効果があります。WFPは年間約1,800万人の児童に給食を提供し、地産地消型メニューで地域農業の需要も創出しています。

緊急支援ロジスティクス

災害や紛争直後の72時間を“ゴールデンタイム”と定義し、食料・医療品・テントなどを迅速に配送する手法です。WFPは国連共通サービスとして人道航空サービス(UNHAS)と即応倉庫を運営し、多機関の貨物を一括管理してコストと時間を削減しています。

Sustainable Development Goal 2

SDGsの目標2『飢餓をゼロに』は、2030年までにあらゆる形態の飢餓と栄養不良を終わらせることを掲げています。WFPは主要実施機関として、指標2.1(食料不足人口)や2.2(子どもの発育阻害)のデータ収集を支援し、進捗報告を行っています。

SCOPEプラットフォーム

WFPが開発した生体認証ベースの給付管理システムです。指紋や虹彩情報で受益者を一意に識別し、現金または食料クーポンの二重受給を防ぎます。データの可視化によりドナー監査にも耐える透明性を確保しています。

小規模農家支援

WFPは『Purchase for Progress(P4P)』という枠組みで、小規模農家から穀物を直接買い付け、安定した市場を提供しています。これにより農家の収入が増え、地域経済が活性化すると同時に、輸送距離の短縮で環境負荷も低減します。