1907年ノーベル化学賞

受賞理由

化学・生物学的諸研究および無細胞的発酵の発見

受賞者

エドゥアルト・ブフナー
エドゥアルト・ブフナー

ドイツ帝国ドイツ帝国

解説

パンやジュースが泡を出すのは、酵母という小さな生きものが砂糖を食べてガスを出すからです。ブフナーは酵母をすりつぶして、細胞を取り除いた液体だけを取り出しました。すると、その液体だけでも砂糖から泡(炭酸ガス)が出ることを発見しました。つまり、生きている酵母がいなくても働く“見えない手”が液体の中にあると分かったのです。この発見は、私たちが食べ物を作る仕組みや体の中で起こる反応を理解する大きな一歩になりました。

関連キーワード

無細胞発酵

生きた細胞を含まない抽出液でも発酵反応が進行する現象。ブフナーが初めて実験的に示し、酵素存在の証拠となった。

ジマ-酵素

ブフナーが命名した酵母抽出液中の触媒的因子。現在では複数の糖分解酵素の集合体であることがわかっている。

酵素触媒

タンパク質が化学反応の速度を大幅に高める生体触媒作用。無細胞発酵の発見によりその存在が広く認識された。

活力論

生命現象は化学法則では説明できないとする19世紀の思想。ブフナーの成果はこの考え方を決定的に否定した。

酵母抽出液

酵母細胞を破砕し、ろ過して得られる可溶性成分の液体。ブフナーはこの液で発酵を起こし、酵素の存在を示した。

エタノール発酵

糖がアルコールと二酸化炭素に変わる反応。食品や燃料生産に不可欠で、ブフナーの研究が機構理解を深めた。

代謝経路

細胞内で段階的に進む一連の化学反応。無細胞系の確立により個々の反応段階を解析する手法が発展した。