1969年ノーベル化学賞
受賞理由
分子の立体配座概念の確立
受賞者
デレック・バートン
イギリス
オッド・ハッセル
ノルウェー
解説
わたしたちが見る物や食べ物は、小さな粒“分子”でできています。同じ種類の分子でも、腕や足のように部分がくるっと回って、いくつかの形(ポーズ)をとることができます。バートンさんとハッセルさんは、この形の違いが分子の性格やはたらきを大きく変えることを見つけました。どの形がいちばん楽で長く続くかを調べることで、薬やプラスチックをもっと上手につくれるようになりました。これを“立体配座”と呼びます。分子のポーズを理解するマジックのような研究でした。
関連キーワード
立体配座
単結合の回転により生じる分子の三次元的ポーズ。エネルギーが最低の配座が化学反応性や物性を支配する。
立体配座解析
実験・計算を通じて各配座のエネルギー差を求め、優先配座を決定する手法。反応機構予測や薬剤設計に不可欠。
シクロヘキサン椅子型
シクロヘキサンが最も安定化する立体配座で、立体ひずみが最小となる。舟型より約6 kJ/mol安定。
立体障害
原子や置換基が近づきすぎることで起こる反発的エネルギー増大。配座安定性や反応選択性を左右する重要因子。
ニューマン投影式
前方と後方の炭素を一直線上に見た図示法。配座を視覚的に比較しやすくする。
ステレオ化学
分子の立体配置とその化学的結果を扱う化学分野。配座概念はその中核をなす。
反応機構
反応がどのような経路で進行するかを詳細に示すモデル。配座は遷移状態の形を規定し機構解明に直結する。
X線結晶構造解析
結晶に当てたX線の回折パターンから原子位置を決定する実験法。配座解析の決定的証拠を提供する。