1904年ノーベル文学賞(2)
受賞理由
独創的で個性的な手法でスペインの戯曲の偉大な伝統を復活させた、数多くの鮮やかな著作に対して
受賞者
ホセ・エチェガライ・イ・アイサギレ
スペイン
解説
ホセ・エチェガライは、スペインで数学の先生をしながら劇を書いた人です。当時の劇場は少し元気がなく、人々は昔のスペインの名作を懐かしんでいました。彼は勇気ある登場人物や大きな感情を描き、古い伝統を新しいスタイルでよみがえらせました。みんなが舞台で笑ったり泣いたりできる面白いお話をたくさん作ったので、劇場が再び人気になりました。エチェガライの作品は学校でも読まれ、スペイン文化を世界に広める手助けをしました。その功績でノーベル文学賞を受賞しました。
関連キーワード
スペイン黄金世紀
16~17世紀に栄えたスペイン文学・演劇の黄金期で、ロペ・デ・ベガやカルデロンが活躍した。エチェガライはその伝統構造を分析し現代化した。
El gran Galeoto
1895年初演の戯曲で、噂と社会的眼差しが悲劇を生むメカニズムを描く代表作。英語版『The World and His Wife』としてブロードウェイでも上演された。
メロドラマ
強い感情と明快な善悪対立を持つ劇形式で、19世紀にヨーロッパ全体で流行した。エチェガライはこれを科学的構成と結びつけ独自のリアリズムを創出した。
Comedia nueva
17世紀にロペ・デ・ベガが確立した三幕制のスペイン演劇様式。エチェガライはこの構造を保持しつつ現代的テーマを織り込んだ。
総合芸術
音楽・舞踊・美術など複数の芸術を統合する概念で、ワーグナーが理論化した。エチェガライは照明や音楽を統一的に設計し舞台効果を高めた。
道徳的ジレンマ
相反する倫理的価値の間で選択を迫られる状況。エチェガライの登場人物は名誉と愛、信仰と理性などの対立に揺れ動く。
数学的構成
証明や定理のように厳密な因果関係で組み立てられたプロット構造を指す。数学者でもあったエチェガライの劇作技術の特徴概念。