1975年ノーベル文学賞
受賞理由
偉大な芸術的感性を伴い、幻想のない人生観の兆候の下で、人間の価値を解釈する独特の詩作に対して
受賞者
エウジェーニオ・モンターレ
イタリア
解説
エウジェーニオ・モンターレは、海辺で見つけた貝殻や石ころを使って、人生についての気持ちを詩にしたイタリアの詩人です。彼の詩は、楽しいことだけでなく、悲しい気持ちや不安もやさしく伝えてくれます。たとえば、波の音や風のにおいを感じるときの気持ちを、言葉で絵を描くように表しました。私たちが日常で感じる「うれしい」「さびしい」を、大切に見つめ直す手伝いをしてくれます。だから、読むと心が静かになり、自分の気持ちを考えるきっかけになります。
関連キーワード
エルメス派
1930年代のイタリア詩に見られる難解で凝縮された表現様式。モンターレはその代表的存在で、語の省略や暗示によって読者に解釈の余地を残す。
イカの骨
1925年刊行のモンターレ初期詩集。乾いた海岸と漂着物のイメージで、失われた希望と人間の孤独を描く。
客観的相関物
感情を直接語らず、対応する具体物で示す技法。T.S.エリオットが提唱し、モンターレも詩的効果を高めるために応用した。
エンジャンブメント
行末で文を切らず、次の行へ意味をまたがせる詩の手法。モンターレは視線とリズムをずらし、思考の断絶を示すために多用した。
負の形而上学
希望や絶対的真理を否定し、現実の不確かさを受け入れるモンターレの哲学的立場。無常観と厳しい現実感覚が結び付く。
ラ・ブフェラ
1956年発表の詩集。戦争と全体主義の影を背景に、“嵐”を精神の混乱と歴史的暴力のメタファーとして扱う。
アイロニー
言外に逆の意味を込める表現技法。モンターレ後期の『Satura』では、ユーモアと皮肉が日常の逸話に混在することで、詩の自己批評性が高まった。