1923年ノーベル生理学・医学賞
受賞理由
インスリンの発見
受賞者
カナダ
イギリス
解説
私たちの体は食べ物から砂糖(ブドウ糖)を取り出してエネルギーにします。血液の中にブドウ糖が多すぎると体がうまく働けません。インスリンは「鍵」のように働き、ブドウ糖を細胞の中へ入れる手伝いをします。バンティングさんたちは犬の膵臓からインスリンを取り出し、糖尿病の犬を救うことに成功しました。これがきっかけで人にもインスリン注射ができるようになり、命を落としていた患者さんを助けました。今では世界中の子どもや大人がインスリンのおかげで元気に暮らしています。
関連キーワード
インスリン
膵臓β細胞で産生される51アミノ酸のペプチドホルモンで、血中ブドウ糖を細胞内に取り込ませる代謝の主役。糖新生を抑制し脂肪・タンパク質合成を促進するため“代謝の司令塔”と呼ばれる。薬剤としては注射やポンプで投与され、1型糖尿病の生命維持に不可欠である。
糖尿病
インスリン作用の欠如または不足により慢性高血糖を来す代謝疾患の総称。1型は自己免疫でβ細胞が破壊され、2型はインスリン抵抗性と分泌低下が組み合わさる。放置すると網膜症・腎症・神経障害など多臓器合併症を引き起こす。
膵臓ランゲルハンス島
膵実質に散在する内分泌小島でβ細胞・α細胞・δ細胞などが含まれる。β細胞はインスリン、α細胞はグルカゴンを分泌し血糖を双方向に調節する。再生医療や膵島移植の標的として研究が進んでいる。
血糖値
血液中のブドウ糖濃度で、健康成人では空腹時70〜100 mg/dLに保たれる。インスリンとグルカゴンのフィードバックにより分単位で微調整される。高過ぎても低過ぎても意識障害や臓器障害を招く。
ホルモン療法
体内ホルモンを薬剤として補充・調節する治療法で、インスリンはその代表例。欠乏を直接補うため即効性が高く、病態を根本から改善できる。近年はレプチンやGLP-1作動薬など他のペプチドホルモンも治療に応用されている。