1988年ノーベル生理学・医学賞
受賞理由
薬物療法における重要な原理の発見
受賞者
ジェームス・ブラック
イギリス
ガートルード・エリオン
アメリカ合衆国
ジョージ・ヒッチングス
アメリカ合衆国
解説
お医者さんがくれる薬は、体の中で決まった場所にくっついて効きます。ブラックさんは心臓の働きを落ち着かせる薬(βブロッカー)を作り、エリオンさんとヒッチングスさんは病気の細胞だけをねらう薬の作り方を考えました。これによって、みんなの命を守る薬が増えました。
関連キーワード
βブロッカー
交感神経のβ受容体を遮断することで心拍数と血圧を下げる薬。狭心症や高血圧に広く使用される。
H2受容体拮抗薬
胃壁細胞のヒスタミンH2受容体を阻害し、胃酸分泌を抑える薬。消化性潰瘍治療を革新した。
合理的薬物設計
病気の原因となる分子標的を先に決め、そこに最適な化合物を設計する創薬手法。無作為スクリーニングからの脱却を意味する。
抗代謝物
生体内の代謝中間体に似せて合成された化合物。代謝経路を競合的に阻害し、がん細胞や微生物を選択的に殺す。
プリン代謝
DNAとATPの材料となるプリン塩基の合成・分解経路。阻害すると細胞分裂が停止するため抗癌標的になる。
プロプラノロール
初の臨床用βブロッカー。心筋の酸素需要を減らし、心臓発作のリスクを下げる。
シメチジン
世界初のH2受容体拮抗薬として1976年に上市。外科手術に頼っていた潰瘍治療を内科的に可能にした。
6-メルカプトプリン
急性リンパ性白血病の寛解導入に用いられるプリン類似体。DNA合成を阻害して白血病細胞を抑える。
アシクロビル
単純ヘルペスウイルスが持つチミジンキナーゼで選択的に活性化される抗ウイルス薬。宿主細胞への毒性が低い。
受容体拮抗薬
標的受容体へのリガンド結合を妨げ、シグナル伝達を遮断する薬の総称。機能選択性という概念を導入した。