1961年ノーベル平和賞
受賞理由
世界の平和と協力を推進し、国際連合の強化に尽力
受賞者
スウェーデン
解説
ダグ・ハマーショルドさんは、世界のみんなが仲良くできるようにする仕事をしました。彼は「国際連合」という国々のチームのリーダーでした。国際連合では、けんかをしている国同士を話し合いで仲直りさせます。ハマーショルドさんは、けんかを止めるために「青いヘルメット」の兵士を送りました。これが「平和維持活動」とよばれるしくみです。彼はだれとでも公平に話し、困っている人を助けました。そのために、ノーベル平和賞をもらいました。
関連キーワード
国際連合
国際連合は第二次世界大戦後の1945年に設立された国際機構である。主な目的は国際平和と安全の維持、友好関係の促進、経済的・社会的問題の解決である。加盟国は現在190か国以上に達し、ほぼすべての主権国家が参加している。政策決定は安全保障理事会、総会、経済社会理事会など複数の主要機関を通じて行われる。事務総長は独立した官僚機構である事務局を統括し、組織の「顔」として外交的調停を行う。今日の平和維持活動やSDGsなど、多くの国際的取り組みのプラットフォームとして機能している。
国連平和維持活動
国連平和維持活動(PKO)は、停戦監視や選挙支援、人道支援を行う多国籍部隊である。1956年のスエズ危機で創設されたUNEFが最初の正規PKOとされる。部隊は加盟国の自発的提供による兵力で構成され、中立性と受け入れ国の同意が原則である。冷戦終結後はマンデートが拡大し、文民保護や国家再建支援など複合的任務を担うようになった。PKOは高い政治的正当性を持つ反面、予算や装備の不足、任務の曖昧さなど課題が多い。
国連事務総長
国連事務総長は事務局の長であり、国際公務員の最高位にあたる。任期は5年で、再選が可能だが慣例として2期までとされる。事務総長は安全保障理事会へ重要事項を提訴する権利を持ち、静かな外交を通じて紛争予防に努める。ハマーショルドは職務の独立性を強調し、事務総長の行動範囲を大幅に拡張した。歴代事務総長は国際社会の道徳的権威として演説や報告書を発表し、世論形成にも影響を与える。その反面、加盟国の政治的圧力と予算制約の中でバランスを取る難しさも抱える。
国連憲章
国連憲章は1945年に調印され、国際法上の条約として加盟国を拘束する。前文と19章で構成され、武力不行使原則や人権尊重などの基本理念を定める。第6章は紛争の平和的解決、第7章は平和に対する脅威への強制措置を規定する。ハマーショルドは第99条と第100条を引用し、事務総長の独立と問題提起権を積極的に行使した。今日でも憲章は国際機構や条約の憲法的文書として位置づけられ、その解釈をめぐって活発な議論が続く。
コンゴ動乱
コンゴ動乱は1960年のベルギー領コンゴ独立直後に発生した政治的・軍事的混乱である。鉱山資源の豊富なカタンガ州が分離宣言を行い、内戦状態となった。冷戦構造の中で、米ソをはじめとする大国が介入し、事態は国際的に複雑化した。国連はONUCを派遣し、停戦監視と人道支援、さらに外国傭兵排除のための武力行使を承認した。事務総長ハマーショルドは現地調停のため飛行中に事故死し、事態の悲劇性が強調された。ONUCはPKOとして初めて大規模な地上戦闘や航空作戦を実施し、その法的正当性が議論となった。同動乱はアフリカ冷戦史と国連平和維持の転換点として研究されている。