1937年ノーベル化学賞(2)
受賞理由
カロテノイド類、フラビン類、ビタミンAおよびB2に関する研究
受賞者
パウル・カラー
スイス
解説
にんじんを食べると目にいい、と聞いたことがありますね。それはオレンジ色の色素カロテノイドがビタミンAに変わるからです。カラー博士は、にんじんやほうれん草の色のもとになる物質を取り出し、どんな形をしているか調べました。また、牛乳にふくまれるビタミンB2(リボフラビン)の性質も調べました。このおかげで、食べ物にどんな栄養があるか正しくわかり、必要なビタミンを補う方法が発展しました。色と健康の不思議を解き明かした研究です。
関連キーワード
カロテノイド
植物や藻類、微生物に存在する黄色〜赤色の色素。共役二重結合が光を吸収して鮮やかな色を生み、抗酸化作用やビタミンA前駆体として機能する。カラーの研究で化学構造と生物機能の関係が明らかになった。
β-カロテン
最も代表的なカロテノイドで、にんじんの色素。体内で切断されビタミンAに変わるプロビタミン。構造解析は視覚や免疫に関わるレチノイド生合成研究の基礎となった。
フラビン
イソアロキサジン環を持つ黄色色素の総称。リボフラビンの核であり、補酵素FMN・FADとして酸化還元反応を媒介する。光敏感性ゆえ食品の保存・加工条件の最適化にも関係する。
リボフラビン
ビタミンB2として知られる水溶性ビタミン。エネルギー代謝系で電子を運ぶ補酵素の前駆体。欠乏すると口角炎や成長障害を引き起こすため、乳製品や強化食品に添加される。
ビタミンA
レチノールやレチナールなどの総称で、視覚サイクルや上皮細胞の維持に必須。プロビタミンとしてカロテノイドから生成される。カラーの解明で栄養指標の設定とサプリメント開発が進んだ。
共役二重結合
二重結合が交互に並ぶことでπ電子が広がり、光吸収や電気伝導性が変化する構造。カロテノイドの鮮やかな色や抗酸化活性の物理化学的基盤となる。