1946年ノーベル化学賞(1)
受賞理由
酵素の結晶化の発見
受賞者
ジェームズ・サムナー
アメリカ合衆国
解説
私たちの体の中では、酵素という小さな「はたらきもの」が食べ物を分解したり、エネルギーを作ったりしています。昔の科学者たちは、酵素がどんな物質なのかはっきり分かりませんでした。サムナーさんは豆から酵素(ウレアーゼ)を取り出し、塩の粒のようなピカピカの結晶にすることに成功しました。結晶になるということは、酵素が同じ形をしたたくさんの分子でできた「物質」だと証明することになります。これにより、酵素もタンパク質で作られていることが分かり、生き物の不思議がぐっと身近になりました。今では、この発見が薬や食品作りにも役立っています。
関連キーワード
酵素
生体内の化学反応を触媒するタンパク質。反応を数百万倍に速めるが、自身は反応の前後で変化しない。
結晶化
溶液中の分子が規則正しい格子を作り固体化する現象。高純度試料の確認やX線解析の前処理として重要。
ウレアーゼ
尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解するニッケル含有酵素。サムナーが初めて結晶化に成功した酵素として有名。
タンパク質
アミノ酸が鎖状に結合してできる高分子。酵素や抗体、ホルモンなど多彩な機能を担う。
純度
試料に他の化学種がどの程度混ざっていないかを示す尺度。サムナーの結晶では一つのタンパク質分子しか含まれないことが証明された。
X線結晶学
結晶にX線を当て回折パターンから原子配置を推定する手法。酵素立体構造解明の王道となった。
ジャックビーン
南米原産のマメ科植物で学名はCanavalia ensiformis。ウレアーゼを大量に含むため酵素研究の素材となった。
触媒
化学反応の活性化エネルギーを下げ、反応速度を高める作用。酵素は生体で最も効率的な触媒の一種である。