1997年ノーベル化学賞(2)
受賞理由
イオン輸送酵素、Na+, K+-ATPアーゼの最初の発見
受賞者
イェンス・スコウ
デンマーク
解説
細胞のまわりには“ナトリウム”と“カリウム”という塩の仲間がたくさんあります。スコウさんは、細胞がポンプのようにナトリウムを外へ、カリウムを中へ運ぶタンパク質を見つけました。このポンプがあるおかげで、私たちの神経は電気信号を送ることができ、心臓もリズムよく動きます。
関連キーワード
ナトリウムポンプ
Na+, K+-ATPアーゼの別名で、3Na+排出と2K+取り込みを行う能動輸送体。
膜電位
細胞内外の電荷差による電圧。神経伝達や筋収縮の基盤となる。
能動輸送
ATPなどのエネルギーを使って濃度勾配に逆らって物質を運ぶしくみ。
P型ATPアーゼ
リン酸化(phosphorylation)中間体を形成する膜輸送ATPアーゼのファミリーで、Na+, K+-ATPアーゼやCa2+-ATPアーゼが含まれる。
デジタリス強心配糖体
ジギタリス、オーブインなどの化合物で、Na+, K+-ATPアーゼを阻害して心筋収縮力を高める。
E1/E2コンフォメーション
ポンプがNa+親和性のE1型とK+親和性のE2型を交互にとる構造状態。
細胞内恒常性
イオン濃度やpHなどを一定に保つ仕組み。Na+, K+-ATPアーゼはこの維持に不可欠。