1915年ノーベル物理学賞
受賞理由
X線による結晶構造解析に関する研究
受賞者
ヘンリー・ブラッグ
イギリス
ローレンス・ブラッグ
イギリス
解説
私たちが使う塩や砂糖などの固体は、小さな「結晶」という規則正しい形の粒が集まってできています。しかし、その粒の中で原子がどう並んでいるかはとても小さくて見えません。ブラッグ父子は「X線」という目に見えない光を結晶に当て、跳ね返る光の模様を記録しました。その模様を調べると、原子が作る立体的な格子の形が分かることを発見しました。影絵を見て中の形を当てるように、壊さずに中身を調べる新しい方法を作ったのです。このおかげで鉱物や薬の性質を詳しく知ることができるようになりました。二人はこの功績でノーベル物理学賞を受賞しました。
関連キーワード
X線
波長が0.01~10ナノメートルの電磁波。物質を透過しにくいが、原子間隔と同程度の波長を持つため結晶解析に適している。
回折
波が障害物や格子を通過するときに曲がる現象。結晶中の周期構造で強め合いが起き、規則的な模様が生じる。
ブラッグの法則
nλ = 2d sinθ で表される回折条件式。入射X線の波長λと回折角θから面間隔dを求める。
構造因子
結晶中の全原子の散乱振幅を合成した複素量。回折強度は|F(hkl)|^2に比例し、原子配置情報を含む。
X線結晶学
X線回折パターンを解析して原子の三次元配置を決定する学問分野。材料科学、生化学、薬学の基盤技術となっている。
デバイリング
多結晶試料で観測される同心円状の回折線。各リングは特定の面間隔を示し、ブラッグ方程式で解析できる。