1939年ノーベル物理学賞
受賞理由
サイクロトロンの発明・開発およびその成果、特に人工放射性元素
受賞者
アメリカ合衆国
解説
サイクロトロンは、とても強い磁石と電気を使って、砂粒より小さな『粒(りゅう)』をぐるぐる回しながら速くする大きな機械です。まるで遊園地のメリーゴーラウンドをだんだん速くしていく感じで、粒は円を描きながら外側へ飛び出していきます。速くなった粒を金属に当てると、新しい『光る石(放射性元素)』が作れます。医者はこの光る石を使って病気を見つけたり治したりします。だからサイクロトロンは、宇宙や原子を調べるだけでなく、人の命を助ける道具にもなっています。
関連キーワード
サイクロトロン
荷電粒子を円軌道で加速する装置。均一磁場と高周波電場を組み合わせ、回転周期を保ったままエネルギーを上げられる。原子核研究や医療用アイソトープ製造に広く用いられる。
粒子加速器
電子や陽子などの粒子を高エネルギーにするための機械。リニア型、サイクロトロン型、シンクロトロン型など多様な形式がある。高エネルギー物理学や材料分析に不可欠。
人工放射性元素
自然界にほとんど存在しないが、核反応を通じて人為的に作り出された放射性同位体。医療診断、治療、年代測定に応用される。
D型電極
サイクロトロンの真空槽内で半円形に配置される電極。隙間部分で粒子を加速し、内部では磁場だけで円運動させる役割を持つ。
磁場
磁力線で表される空間の性質。サイクロトロンでは粒子を曲げて円運動させる主役で、強さBが軌道半径や周回時間を決定する。
加速電圧
高周波で印加される電位差。粒子がギャップを通過するたびに運動エネルギーqVを獲得する。値が高いほど短い周回で高エネルギーに到達する。
放射線治療
がん細胞を破壊するために放射線を照射する医療技術。サイクロトロン製アイソトープは内部照射や外部ビームの線源として利用される。
同位体製造
核反応によって特定の元素の質量数違いを作る工程。病院や研究所では専用サイクロトロンで日常的に実施されている。