1964年ノーベル物理学賞
受賞理由
量子エレクトロニクス分野の基礎研究および、メーザー・レーザー原理に基づく振動子・増幅器の構築
受賞者
アメリカ合衆国
ソビエト連邦
ソビエト連邦
解説
わたしたちがバーコードリーダーやDVDプレーヤーで見る赤い光はレーザーと呼ばれる、まっすぐで強い光です。レーザーやメーザー(マイクロ波版レーザー)を作るには、原子や分子が出す光をきれいにそろえてあげるしくみが必要です。タウンズさん、バソフさん、プロホロフさんは、その仕組みを考え出し、本当に光や電波を増幅する機械を作りました。これがあるから、今わたしたちはインターネット通信や医療機器など便利な道具を使うことができます。
関連キーワード
量子エレクトロニクス
電子や光子を量子力学で制御し、発振・増幅・検出などの機能を実現する学問分野。メーザー・レーザーの発明を契機に確立し、その後の半導体レーザーや量子コンピュータなど多様な技術へ発展した。
メーザー
Microwave Amplification by Stimulated Emission of Radiationの略。誘導放出を利用してマイクロ波を増幅・発振させる装置で、原子時計や深宇宙通信の低雑音増幅器として重要。レーザーのマイクロ波版といえる。
レーザー
Light Amplification by Stimulated Emission of Radiationの頭字語で、波長帯が紫外線から赤外線まで広がる高輝度・高コヒーレンス光源。光通信、医療、加工、計測など社会の基盤技術となっている。
反転分布
高エネルギー準位の粒子数が低準位より多い非平衡状態で、誘導放出が吸収を上回り利得を生む。メーザー・レーザー動作の絶対条件であり、ポンピング法により実現される。
コヒーレンス
波の位相と周波数がそろっている度合いを示す尺度。レーザー光は高い空間・時間コヒーレンスを持ち、干渉計測やホログラフィー、量子通信で不可欠な特性である。
光共振器
二枚の鏡や誘電体で構成され、往復する光を増幅・モード選択する装置。鏡反射率やキャビティ長は出力パワーや線幅を決定し、安定条件解析がレーザー設計の鍵となる。
マイクロ波増幅
ノイズが支配的なマイクロ波帯で信号を強くする技術。メーザー増幅器は極低雑音温度を達成し、ラジオ天文学や超伝導量子ビット読み出しの最前段に用いられる。