1975年ノーベル物理学賞

受賞理由

核子の集団運動と独立粒子運動との関係の発見、およびこの関係に基づく原子核構造に関する理論の開発

受賞者

オーゲ・ニールス・ボーア
オーゲ・ニールス・ボーア

デンマークデンマーク

ベン・ロイ・モッテルソン
ベン・ロイ・モッテルソン

デンマークデンマーク

レオ・ジェームス・レインウォーター
レオ・ジェームス・レインウォーター

アメリカ合衆国アメリカ合衆国

解説

私たちの世界を形づくる原子のまん中には、とても小さな「原子核」があります。原子核は陽子と中性子という粒がぎゅっと集まった“ミクロのおだんご”です。1975年の受賞者たちは、その粒がバラバラに動く様子と、原子核ぜんたいが震えたり回ったりする大きな動きが実はつながっていることを発見しました。このおかげで、原子核の性質やエネルギーをもっと正確に調べられるようになりました。

関連キーワード

原子核

陽子と中性子から成る微小な物質の中心部分。電荷と質量のほとんどを担い、その構造を解明することはエネルギー利用や宇宙進化の理解に直結する。

集団運動

多くの核子が協調して起こす回転・振動などの巨視的自由度。エネルギー準位の系統性や遷移確率に顕著な指標を与える。

独立粒子モデル

各核子を平均ポテンシャル中の単独な粒子として扱う近似。シェル構造や魔法数の説明に成功したが、集団的効果を単独では再現できない。

統一模型

独立粒子運動と集団運動を同一枠組みで記述するBohr–Mottelson模型。回転バンドや振動状態など多様な核現象を統合的に予言する理論。

四重極変形

原子核が球形を離れ、ラグビーボール状やパンケーキ状に伸び縮みした形。変形度βが大きいほど回転スペクトルが明瞭になる。

回転バンド

変形核が角運動量を増やしながら順に励起されるエネルギー系列。E∝J(J+1)の関係が特徴的。

振動励起

ほぼ球形の核が対称性を保ったまま伸縮する集団状態。第一2+準位が代表例で、核ラトルのようにたとえられる。

シェルモデル

原子核における量子数で分類されたエネルギー準位構造。電子の原子殻に似ており、魔法数やスピン‐パリティの説明に用いられる。

核スペクトロスコピー

励起状態から放出されるガンマ線や粒子を測定し、エネルギー準位・遷移確率を決定する手法群。統一模型の検証に不可欠。

ペアリング相互作用

同種核子がスピンを反平行にして結び付くクーパー対様の効果。超伝導と同じ数学構造を持ち、核の奇偶効果や慣性モーメントに影響する。