1978年ノーベル物理学賞(2)
受賞理由
宇宙マイクロ波背景放射の発見
受賞者
アーノ・ペンジアス
アメリカ合衆国
ロバート・W・ウィルソン
アメリカ合衆国
解説
ペンジアスさんとウィルソンさんは、大きなラッパ形のアンテナで空から来る電波を調べていました。ところがどこを向けても「ザー」という弱い雑音が消えません。掃除をしてハトのふんまで取り除いたのに音は残りました。調べた結果、その雑音は宇宙じゅうに満ちたとても古い光だとわかったのです。この光は宇宙が生まれたときの熱が冷えて残った“赤ちゃんの声”のようなものです。
関連キーワード
宇宙マイクロ波背景放射
ビッグバン後約38万年で宇宙が透光性を得たときに放たれた黒体光。現在は約2.7 Kのマイクロ波として全天を均一に満たし、初期宇宙の状態を記録する“化石光”である。
ビッグバン理論
宇宙が高温高密度の一点から膨張してきたという標準宇宙論モデル。CMBの存在と黒体スペクトルはこの理論の強力な観測的裏付けである。
ホーンアンテナ
ラッパ形状で広いビームパターンと低サイドローブを実現するマイクロ波アンテナ。ホルムデル型は低雑音測定に適し、CMB発見の鍵となった。
双極子異方性
CMB温度が全天でわずかに方向依存する一次モード。地球系の運動速度(約370 km/s)を測定する基準として用いられる。
再結合
宇宙年齢約38万年で陽子と電子が結合して中性水素が形成され、光子が自由に進めるようになった時期。CMBはこの瞬間の情報を現在まで保持している。