1981年ノーベル物理学賞(2)

受賞理由

高分解能光電子分光法の開発

受賞者

カイ・シーグバーン
カイ・シーグバーン

スウェーデンスウェーデン

解説

金属やプラスチックに光を当てると電子が飛び出すことがあります。シーグバーンさんは、その電子の速さをとても細かく測る装置を作りました。電子の速さは物質固有の“ひみつの番号”を教えてくれます。この測定方法を光電子分光と言います。おかげで表面にどんな成分があるか、錆びているかどうかを簡単に調べられるようになりました。スマートフォンや電池の材料研究にも役立っています。

関連キーワード

光電子分光

光励起で飛び出した電子のエネルギーを測定して結合エネルギーを求める分析法。元素と化学状態をナノメートル深さで判別できる。

束縛エネルギー

原子・分子内で電子が核に保持される強さを示す値。化学シフトとしてわずかに変化し、環境や結合状態を反映する。

シンクロトロン放射

円形加速器で発生する高輝度・広帯域の光。光電子分光の光源として用いると分解能と感度が大きく向上する。

表面分析

材料表面の組成や化学状態を調べる研究分野。光電子分光は数ナノメートルの極浅領域を非破壊で解析できる代表的手法である。

化学シフト

結合環境の違いで束縛エネルギーが数十meV単位でずれる現象。元素の酸化状態や配位を識別する鍵となる。

エネルギー分解能

測定装置が二つの近接したエネルギーを区別できる最小差。高分解能(例えば100 meV以下)は微細な化学シフト検出に不可欠。

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