2009年ノーベル物理学賞(2)

受賞理由

撮像半導体回路であるCCDセンサーの発明

受賞者

ウィラード・ボイル
ウィラード・ボイル

アメリカ合衆国アメリカ合衆国, カナダカナダ

ジョージ・E・スミス
ジョージ・E・スミス

アメリカ合衆国アメリカ合衆国

解説

デジタルカメラで写真を撮るとき、フィルムの代わりに小さな「電子の目」が光を感じて画像を作ります。この電子の目がCCDセンサーです。ウィラード・ボイルさんとジョージ・スミスさんは、黒板に描いたアイデアからCCDを発明しました。光が当たると電子が集まり、その数を数えることで色や明るさがわかります。これにより、宇宙の星や家族の写真まで、たくさんの映像を簡単に記録できるようになりました。

関連キーワード

CCDセンサー

電荷結合素子を使い、光を電子信号へ変換して読み出す撮像デバイス。画素ごとの電荷をクロックで移動させるため、非常に高い電荷転送効率を持つ。低ノイズかつ直線性が良く、天文学や医療など精密測定に最適。1970年の発明以来、冷却技術やバックサイドイルミネーションで性能が向上し続けている。近年も大型モザイクCCDが望遠鏡焦点面を埋め尽くしている。

画素

CCD上の最小検出単位で、フォトダイオード的に動作し光子数に比例した電子を蓄える。画素サイズは数µmから数十µmで、サイズが大きいほど感度と飽和電荷が増えるが解像度は低下する。総画素数(メガピクセル)は画像の細かさを示す指標だが、光学系やノイズも画質に影響する。カラーカメラではRGBフィルタが各画素上に配置される。科研向けモノクロCCDではフィルタを持たず高量子効率を得る。

電荷転送効率

隣接画素へ電荷を送る際に失われない割合。CTEが99.999%なら1,000転送で約1%しか減衰しない。ゲート欠陥や放射線損傷でトラップが生じるとCTEが低下し、画像スミアや歪みの原因となる。宇宙機搭載CCDでは冷却とクロック波形最適化でCTE劣化を抑制する。高CTEは高精度フォトメトリーや分光に不可欠である。

フォトエレクトリック効果

光子が物質表面で電子を放出する現象。CCDではシリコン内部で電子-正孔対を生成し、バンドギャップ(1.12 eV)より高い光エネルギーが必要。アインシュタインの光量子仮説で説明され、1921年ノーベル賞を受賞。光の粒子性理解の基礎で、半導体光検出器全般の動作原理となる。CCDはこの効果を高効率で利用している。

デジタルカメラ

CCDやCMOSセンサーで得た電子信号をAD変換し、画像ファイルとして保存する装置。フィルム現像を必要とせず即座に表示・編集が可能。1995年に最初の市販デジタル一眼が登場し、写真文化を大きく変えた。現在はスマートフォンにも搭載され、毎日数十億枚の写真が撮影されている。CCDの発明がデジタル写真時代の扉を開いた。

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