1929年ノーベル生理学・医学賞(1)
受賞理由
抗神経炎ビタミン(ビタミンB1)の発見
受賞者
クリスティアーン・エイクマン
オランダ
解説
エイクマン博士は、ニワトリが食べ物によって「脚気(かっけ)」という病気になることを見つけました。白いお米だけを食べさせると足が動かなくなり、米ぬかを混ぜると元気に戻ったのです。博士は米ぬかの中に体を守る特別な成分があると気づきました。これが後にビタミンB1と呼ばれる“体の元気スイッチ”です。私たちがご飯やパンと一緒に野菜などを食べるのは、このビタミンをきちんと取るためでもあります。
関連キーワード
ビタミンB1
正式名はチアミン。糖質をエネルギーに変える酵素の補酵素として働き、不足すると脚気やウェルニッケ脳症を引き起こす。
脚気
末梢神経炎や心不全を特徴とするビタミンB1欠乏症。アジアで精白米の普及とともに流行した。
抗神経炎因子
エイクマンが命名した米ぬか中の未知成分。神経の炎症を防ぐ作用を持ち、後にビタミンB1と同定された。
米ぬか
玄米の外皮部分。ビタミンB群やミネラルが豊富で、精白過程で失われるため脚気の要因となった。
チアミンピロリン酸(TPP)
ビタミンB1の活性型。ピルビン酸デヒドロゲナーゼやα-ケトグルタル酸デヒドロゲナーゼなどで脱炭酸反応を触媒する。
栄養欠乏症
特定の必須栄養素が不足することで生じる病態。ビタミンやミネラルの不足による例が多い。