1949年ノーベル生理学・医学賞(1)
受賞理由
内臓の活動を統合する間脳の機能組織の発見
受賞者
ヴァルター・ルドルフ・ヘス
スイス
解説
私たちのからだの中では、心臓が拍動したり体温が一定に保たれたりしています。ヘス博士は、脳の真ん中にある“間脳”という部分がこれらをまとめて指令していることを調べました。猫の脳に小さな弱い電気を流し、心臓の速さや呼吸がどう変わるかを観察したのです。その結果、間脳が体全体のスイッチボードのように働くとわかりました。これにより、脳が体をコントロールする仕組みがより詳しく理解できるようになりました。
関連キーワード
間脳
大脳半球と中脳の間に位置する脳領域で、視床と視床下部などを含む。感覚統合や自律機能制御のハブとして働く。
視床下部
体温、摂食、ホルモン放出などを調節する自律神経・内分泌の中枢。ヘスの刺激実験で詳細な機能地図が作成された。
自律神経系
交感神経・副交感神経の2系統からなり、心拍や消化など不随意運動を司る。視床下部がその上位指令系であることが示された。
ホメオスタシス
生体が環境変化に対して内的状態を安定に保つ性質。脳—内臓ループの中心として視床下部が重要役割を担う。
電気刺激法
微小電極で脳組織に電流を流し、行動や生理応答を誘発して機能局在を調べる方法。ヘスが精緻化し、現代の深部脳刺激療法の先駆けとなった。