1966年ノーベル生理学・医学賞(2)
受賞理由
前立腺がんのホルモン療法に関する発見
受賞者
チャールズ・ハギンズ
アメリカ合衆国
解説
体の中にはテストステロンなどのホルモンという合図の物質があります。チャールズ・ハギンズは、前立腺がんの細胞がこのホルモンをえさにして育つことを見つけました。ホルモンを減らしたり止めたりすると、がんが小さくなることを患者さんで確かめました。これは『がんを飢えさせる』治療として世界で初めて成功した方法でした。今も多くの患者さんを助ける大切な治療です。
関連キーワード
前立腺がん
男性の前立腺に発生する腺癌で、高齢化とともに罹患率が増加。アンドロゲン依存性が高く、ホルモン療法が治療の柱となる。
アンドロゲン除去療法
去勢手術や薬剤によりテストステロンを低下させ、腫瘍増殖を抑える治療法。ハギンズの発見から始まり、現在はLHRHアゴニストや抗アンドロゲン薬が用いられる。
テストステロン
精巣で合成される主要な男性ホルモン。前立腺がん細胞の代謝と分裂を促進するため、濃度を下げると腫瘍が縮小する。
アンドロゲン受容体
細胞核内でテストステロンに結合し遺伝子転写を制御するリガンド依存性転写因子。標的阻害は前立腺がん治療に不可欠。
去勢抵抗性
長期のホルモン療法後に腫瘍が再び進行する現象。AR遺伝子異常や脱ホルモン依存機構により生じ、第二世代薬が対抗策として開発された。