1995年ノーベル物理学賞(2)

受賞理由

レプトン物理学の先駆的実験(ニュートリノの検出)Science:124(1956) 103-104

受賞者

フレデリック・ライネス
フレデリック・ライネス

アメリカ合衆国アメリカ合衆国

解説

太陽や原子炉の中では、目に見えない「ニュートリノ」というとても小さな粒が大量に飛び出しています。ニュートリノは幽霊のように何でも通り抜けるので、見つけるのがとても難しい粒です。フレデリック・ライネスさんは、水のような液体のそばに特別な装置を置き、原子炉から来たニュートリノが水に当たって出す小さな光を探しました。光をとらえることで、初めて“本物”のニュートリノをとらえたのです。この成功で、宇宙を調べるための新しい目が開かれました。

関連キーワード

ニュートリノ

電荷0、極微小質量、弱い相互作用だけで他の物質とほとんど反応しない基本粒子。宇宙背景や星の中で大量に生成され、物質透過性が高いため宇宙の内部情報を運ぶ“メッセンジャー”と呼ばれる。

逆β崩壊

反電子ニュートリノが陽子に衝突して陽電子と中性子を生成する過程。閾値1.8MeVで、ニュートリノ検出の最も基本的な反応として多くの実験で利用されている。

コインシデンス測定

時間差や空間的関係で複数の信号を同時検出し、背景事象を大幅に低減する手法。ライネス実験ではprompt-delayedガンマ線の二重検出で信頼性を高めた。

フォトマルチプライヤ管

微弱な光を電子増倍して電気信号に変える真空管。シンチレータやチェレンコフ光を検出する中心的デバイスで、ニュートリノや暗黒物質実験でも不可欠。

原子炉ニュートリノ

核分裂に伴うβ崩壊で生成される反電子ニュートリノ群。エネルギーが数MeVで制御可能な強力源として、検出器較正や振動パラメータ測定に利用される。

ニュートリノ振動

異なるフレーバーのニュートリノが飛行中に変化し合う量子現象。質量を持つことの直接的証拠であり、Reinesの検出技術が後の振動実験に応用された。

チェレンコフ放射

荷電粒子が媒質中を光速より速く移動するときに生じる青白い光。水や氷を用いた大型ニュートリノ検出器で粒子の方向やエネルギー測定に利用される。

サバンナリバー原子炉

米国サウスカロライナ州にあった原子力施設。ライネスとカーワンが世界初のニュートリノ検出を行った場所として歴史的に重要。

同年の他の受賞業績